溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「すごいよね、穂積課長」

「二宮くん」


いつの間にか私の傍に立っていた二宮くんは、私にだけ聞こえるように「そう思うでしょ？」と言って笑う。


「課長って、いつも大きな契約を取ってくるだろ？　でもさ、課長の評判ってどこに行ってもすごくいいんだ」

「そうなの？」

「うん。俺、課長から引き継いだ案件があるけど、社内外問わず課長のことを悪く言う人って見たことないよ」


彼の視線の先には穂積課長がいるようで、その瞳は課長に対して真っ直ぐに尊敬の念を送っているように見える。


「営業って、図々しく行かなきゃいけないところもあるけど、それによる失敗と成功は表裏一体っていうか、結構その微妙な駆け引きが難しくてさ……。正直、嫌われることもあったりする。それなのに、課長のことを知っている人はみんな、口々に褒めるんだ」


人懐っこさとは違う明るさが滲む笑顔はどこか誇らしげで、いつも以上にキラキラと輝いていた。