溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「あ……」
小さく漏れた声に顔を上げたのは、穂積課長。
会議室の片付けを頼まれた私がドアを開けると、課長が椅子に腰かけていたのだ。
「すみません、片付けを頼まれたんですが……。もしかして、まだ使われていますか?」
「いや。会議はもう終わったんだが、ここだと集中できるから少し借りていたんだ」
言葉を選ぶように苦笑した穂積課長を見て、ふとさっきまでの様子を思い出す。
そういえば、松井田病院の件があったからなのか、課長はいつも以上に部長から話しかけられていて、少しばかり仕事がやりにくそうだったような気がする。
「松井田病院の件、おめでとうございます」
だから、この話題を出すのは悩んだけれど、どうしても直接お祝いを伝えたくて笑顔を見せた。
すると、穂積課長がすぐに柔らかい笑みを浮かべた。
「ありがとう。まぁ、本当に大変なのはこれからだけどね」
課長の表情からは喜びが見て取れたものの、心底嬉しそうな感じじゃなくて、少しだけ戸惑った。
小さく漏れた声に顔を上げたのは、穂積課長。
会議室の片付けを頼まれた私がドアを開けると、課長が椅子に腰かけていたのだ。
「すみません、片付けを頼まれたんですが……。もしかして、まだ使われていますか?」
「いや。会議はもう終わったんだが、ここだと集中できるから少し借りていたんだ」
言葉を選ぶように苦笑した穂積課長を見て、ふとさっきまでの様子を思い出す。
そういえば、松井田病院の件があったからなのか、課長はいつも以上に部長から話しかけられていて、少しばかり仕事がやりにくそうだったような気がする。
「松井田病院の件、おめでとうございます」
だから、この話題を出すのは悩んだけれど、どうしても直接お祝いを伝えたくて笑顔を見せた。
すると、穂積課長がすぐに柔らかい笑みを浮かべた。
「ありがとう。まぁ、本当に大変なのはこれからだけどね」
課長の表情からは喜びが見て取れたものの、心底嬉しそうな感じじゃなくて、少しだけ戸惑った。