溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「実は、今回の契約はまだ長期的なものじゃないんだ」

「そうだったんですね」

「まぁ、これはよくあることだ。青山さんも知っているとは思うけど、いきなり大口や長期で契約してもらえる方が少ないから」


うちの研究チームには海外からヘッドハンティングされた人もいて優秀だと聞いているし、薬に限らず商品の評価も高いと思う。
それでも、基本的には最初から大口の契約を取れることは少ない。


「今後も利用してもらうためには、うちの新薬の効果をしっかり感じてもらわないといけない。もちろん、そこは自信を持っているが……」

「あとは、どれだけメリットを感じてもらえるか、ですよね？」

「あぁ。他社からも似たような薬は出ているし、クライアントがそちらにメリットを感じれば、効果がどうであれ契約を切られる可能性もあるからね」


効果が出ることはとても大切だけれど、残念ながらそれが必ずしも有利に働くとは限らない。
他社の製品の方がコストがよかったりすると、仮にその効果がそこそこであってもそちらが選ばれる可能性もあるから。