溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「まぁ、そりゃそうよね。二宮はともかく、莉緒が二宮とふたりで出掛けるわけないか」
「多恵は、どうして二宮くんが相手だと思ったの?」
「え? ……あぁ、ほら、あれよ! 莉緒ってあんまり異性の友達とかいないし、合コンとかも行かないじゃない? だから、ね?」
自己完結した多恵に疑問を向ければ、彼女は苦笑混じりに話した。
その態度がどこかわざとらしいというか、なにかを隠しているようにも見えたけれど、「あっ!」と声を上げた多恵に思考が奪われる。
「しまった、もうこんな時間! 昼休みが終わっちゃう!」
彼女は腕時計に落としていた視線を私に戻すと、急ぐように促してきた。
ふたり仲良く早足にオフィス街を駆けて会社に戻ると、いつものようにエレベーターに乗った。
「今度ゆっくり聞かせてね」
そして、先に降りようとした私に微笑んだ多恵は、「午後も頑張ろうね」と付け足した。
そんな彼女に、私は曖昧に微笑むことしかできなかった。
「多恵は、どうして二宮くんが相手だと思ったの?」
「え? ……あぁ、ほら、あれよ! 莉緒ってあんまり異性の友達とかいないし、合コンとかも行かないじゃない? だから、ね?」
自己完結した多恵に疑問を向ければ、彼女は苦笑混じりに話した。
その態度がどこかわざとらしいというか、なにかを隠しているようにも見えたけれど、「あっ!」と声を上げた多恵に思考が奪われる。
「しまった、もうこんな時間! 昼休みが終わっちゃう!」
彼女は腕時計に落としていた視線を私に戻すと、急ぐように促してきた。
ふたり仲良く早足にオフィス街を駆けて会社に戻ると、いつものようにエレベーターに乗った。
「今度ゆっくり聞かせてね」
そして、先に降りようとした私に微笑んだ多恵は、「午後も頑張ろうね」と付け足した。
そんな彼女に、私は曖昧に微笑むことしかできなかった。