溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
込み上げてきそうなため息を我慢して笑顔を見せると、穂積課長がふわりと微笑んだ。
「青山さんは、いつも仕事が丁寧だから助かるよ」
優しくそんな風に言われてしまったら、頑張ろうという気になってしまう。
それがお世辞であっても、好意的な笑顔を見ていると素直に嬉しくなった。
「あ、少し急ぎで頼めるかな?」
「わかりました」
「頑張ります」と返してデスクに戻ると、さっきまでよりもやる気が湧いてきていることに気づいて、我ながら単純だと苦笑が漏れそうになった。
だけど、課長にあんな風に言ってもらえたら、やる気くらい出てしまうと思う。
穂積智明、三十一歳。
営業部で課長を務めている彼は、いつも柔らかな雰囲気を纏っていて、誰に対しても分け隔てなく優しい。
そして、その癒し系の性格と仕事ができるというギャップに惹かれる女性社員がチラホラいるうえに、上司からも部下からも信頼が厚い。
昨年の春に営業部に異動してきた私に、仕事を一から丁寧に教えてくれた人だ。
「青山さんは、いつも仕事が丁寧だから助かるよ」
優しくそんな風に言われてしまったら、頑張ろうという気になってしまう。
それがお世辞であっても、好意的な笑顔を見ていると素直に嬉しくなった。
「あ、少し急ぎで頼めるかな?」
「わかりました」
「頑張ります」と返してデスクに戻ると、さっきまでよりもやる気が湧いてきていることに気づいて、我ながら単純だと苦笑が漏れそうになった。
だけど、課長にあんな風に言ってもらえたら、やる気くらい出てしまうと思う。
穂積智明、三十一歳。
営業部で課長を務めている彼は、いつも柔らかな雰囲気を纏っていて、誰に対しても分け隔てなく優しい。
そして、その癒し系の性格と仕事ができるというギャップに惹かれる女性社員がチラホラいるうえに、上司からも部下からも信頼が厚い。
昨年の春に営業部に異動してきた私に、仕事を一から丁寧に教えてくれた人だ。