溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「それに、謝罪ならさっき主任にもしてもらったから」

「え?」


主任を見ると、「部下の失敗は僕の責任でもあるからね」と苦笑混じりに返された。
穂積課長といい、主任といい、私は本当に上司に恵まれていると思う。


思わず目頭が熱くなったけれど、私は主任と小田さんにもう一度「申し訳ありませんでした」と頭を下げた。
それから、再び小田さんを見上げた。


「あの、なにかできることはありませんか? 私のミスですし、なんでもやらせていただきますので……」

「あぁ、そのことなんだけどね」


小田さんはフッと笑うと、「なんとかなりそうなんだ」と口にした。
目を見張った私の隣で、主任も「えっ!?」と声を上げた。


「サンプルは千五百足りないままだけど、支社用の第二工場で簡易的なものを作ってもらえることになった」

「本当ですかっ!?」


大きな声を上げてしまった私に、小田さんが会議室にいる企画チームのメンバーと視線を交わしてから小さく頷いた。
そして、安堵を含んだ笑みで「あぁ」と肯定した。

< 191 / 380 >

この作品をシェア

pagetop