溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「もともと材料はあったし、五百ならどうにかしてもらえることになった。他の製造ラインのこともあるから、さすがにこれが限界だけど……」

「でも、それじゃあ……」

「たしかに、まだ千は足りない。でも、五百は予備のつもりだったから、実質足りないのは五百ほどなんだ。企業向けに配る分は減らせないし、パッケージは間に合わないけど、幸いサンプルだからね。一般に配布する分の数を減らせば、とりあえずなんとかなると思う」

「パッケージはどうなるんですか？」

「透明のものになるから、こちらでパッケージのデザインをプリントしたものを添付する。この状況で対応できる方法は、それくらいしかないからね」

「そう、ですよね……」

「でも、五百しかなかったのに、〝足りないのが五百〟というところにまでなった。準備が完璧ではなくなるけど、当初の状況から考えれば上々だよ」


みんなの努力を私のミスで足を引っ張ってしまったことが、情けなくて申し訳ない。
そんな気持ちでいる私に、小田さんは「とにかくイベントまで全力で頑張るよ」と笑った。