溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
さすがに定時に帰るのは申し訳なくて、できる限りの業務を請け負っていると、営業部のフロアを出た時には二十一時を過ぎていた。
残業は多少あるとはいえ、ここまで遅くなることはあまりない。
社員が少なくなった社内の雰囲気につられるように、ミスをした時から沈んだままの気分がさらに深く落ちていくような気がした。
無意識にため息が落ち、ひとりきりのエレベーターで俯いてしまう。
「莉緒!」
「多恵……!?」
重い足取りで駅に向かっていると呼び止められ、振り返った私は目を丸くした。
「よかった、間に合った~」
「どうしたの?」
「今、営業部に寄ったらもう帰ったって言われたから、慌てて追いかけてきちゃった!」
「えっ!?」
「私、さっきまでこの近くのお店で本部長の接待に同行してたんだけど、もしかして莉緒が残ってるんじゃないかと思って。会えてよかったよ」
いつもと変わらない雰囲気で微笑む多恵は、目配せで歩くように伝えてくる。
私は、その柔らかい表情に小さな安堵感を抱き、彼女と肩を並べて歩き出した。
残業は多少あるとはいえ、ここまで遅くなることはあまりない。
社員が少なくなった社内の雰囲気につられるように、ミスをした時から沈んだままの気分がさらに深く落ちていくような気がした。
無意識にため息が落ち、ひとりきりのエレベーターで俯いてしまう。
「莉緒!」
「多恵……!?」
重い足取りで駅に向かっていると呼び止められ、振り返った私は目を丸くした。
「よかった、間に合った~」
「どうしたの?」
「今、営業部に寄ったらもう帰ったって言われたから、慌てて追いかけてきちゃった!」
「えっ!?」
「私、さっきまでこの近くのお店で本部長の接待に同行してたんだけど、もしかして莉緒が残ってるんじゃないかと思って。会えてよかったよ」
いつもと変わらない雰囲気で微笑む多恵は、目配せで歩くように伝えてくる。
私は、その柔らかい表情に小さな安堵感を抱き、彼女と肩を並べて歩き出した。