溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「莉緒」
頭を上げられずにいると、穂積課長の声が降ってきた。
一瞬肩をビクつかせてしまったけれど、唇に僅かに力を込めて顔を上げると、課長の視線は私を捕らえていた。
「最初に伝えた通り、今回のミスは初歩的なものだし、庇う余地はない。莉緒のミスで万全な状態でイベントに臨めないのも、周囲に迷惑をかけたことも事実だ」
きっと、私を見つめたままだったであろう穂積課長の声には、厳しさが含まれている。
さっきまでの雰囲気に反した口調に胸が痛んだけれど、課長の言葉は正しい。
「それについては反省は必要だし、次に同じミスをすればさすがにフォローしてあげられないだろう」
それをわかっているからこそ、私には泣く資格がないことは重々理解している。
だから、目頭の熱と鼻の奥の鋭い痛みにグッと耐えた。
「確かにリカバリーはできたが、それだって不幸中の幸いだったんだ。でも……」
ところが、次の瞬間に私に向けられたのは、穏やかさを携えた小さな笑みだった。
頭を上げられずにいると、穂積課長の声が降ってきた。
一瞬肩をビクつかせてしまったけれど、唇に僅かに力を込めて顔を上げると、課長の視線は私を捕らえていた。
「最初に伝えた通り、今回のミスは初歩的なものだし、庇う余地はない。莉緒のミスで万全な状態でイベントに臨めないのも、周囲に迷惑をかけたことも事実だ」
きっと、私を見つめたままだったであろう穂積課長の声には、厳しさが含まれている。
さっきまでの雰囲気に反した口調に胸が痛んだけれど、課長の言葉は正しい。
「それについては反省は必要だし、次に同じミスをすればさすがにフォローしてあげられないだろう」
それをわかっているからこそ、私には泣く資格がないことは重々理解している。
だから、目頭の熱と鼻の奥の鋭い痛みにグッと耐えた。
「確かにリカバリーはできたが、それだって不幸中の幸いだったんだ。でも……」
ところが、次の瞬間に私に向けられたのは、穏やかさを携えた小さな笑みだった。