溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「莉緒が責任を感じて反省していることは、ちゃんとわかっている」

「え?」

「いつも真面目に頑張っていることも、営業部のメンバーが動きやすいようにサポートを一生懸命してくれていることも、ちゃんと知っている」


優しい顔つきと同じような声音に、喉の奥から熱が込み上げてくる。
視界が滲みそうな予感にグッと奥歯を嚙みしめた時、穂積課長が私の頭をポンと撫でた。


「だから、もう泣いてもいい」


そのあとで落とされた言葉に、私は目を見開いてしまった。


「よく会社で泣かずに耐えた。つらかっただろう」


反省することも、泣かないことも、当たり前のことだ。
だって、自身の気の緩みが起こした初歩的なミスなのだから。


研究所に向かう前に庇う余地がないと言われた時、つらかったけれどその通りだと思ったし、それだけ大きなミスを犯した自覚もあった。
それなのに、課長はこんなどうしようもないミスをした私を、優しく受け止めてくれている。

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