溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「うーん、やっぱり怪しい……。莉緒って、いつも帰省できるのを楽しみにしてるじゃない。それなのに、今回は帰省しないことが嬉しそうに見えるんだけど」
さすがは親友、とでも言うべきだろう。
多恵の言葉は鋭く、彼女が『嬉しそう』と言うのならそれはきっと正しいのだと思う。
正直、今日まで多恵に穂積課長とのことを言わずに来られたのは、彼女もずっと忙しかったから。
本部長に付いている多恵は、十一月中旬頃からは昼夜問わず接待が増え、この三週間ほどはランチを一緒に摂れるタイミングがほとんどなかった。
たまにランチを共にすることになっても、会話の内容は仕事のことばかり。
多忙な時期のたった数回のランチタイムでは、お互いのプライベートにまで話が及ぶこともなく、彼女もまた特になにかを訊いてくることもなかった。
「帰省できなくても、連休は嬉しいに決まってるよ」
「それはそうだけど、莉緒を見てるとそういうのとはまた違う気がするのよね」
じっと見つめられて、たじろいでしまう。
嘘や隠し事が苦手な私は、真っ直ぐな視線から逃げたくなっていた。
さすがは親友、とでも言うべきだろう。
多恵の言葉は鋭く、彼女が『嬉しそう』と言うのならそれはきっと正しいのだと思う。
正直、今日まで多恵に穂積課長とのことを言わずに来られたのは、彼女もずっと忙しかったから。
本部長に付いている多恵は、十一月中旬頃からは昼夜問わず接待が増え、この三週間ほどはランチを一緒に摂れるタイミングがほとんどなかった。
たまにランチを共にすることになっても、会話の内容は仕事のことばかり。
多忙な時期のたった数回のランチタイムでは、お互いのプライベートにまで話が及ぶこともなく、彼女もまた特になにかを訊いてくることもなかった。
「帰省できなくても、連休は嬉しいに決まってるよ」
「それはそうだけど、莉緒を見てるとそういうのとはまた違う気がするのよね」
じっと見つめられて、たじろいでしまう。
嘘や隠し事が苦手な私は、真っ直ぐな視線から逃げたくなっていた。