溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「多恵、莉緒ちゃんが困ってるだろ」
見兼ねて助け船を出してくれた二宮くんに、「ちょっと黙ってて」と視線も向けずに言った多恵は、私から瞳を動かそうとしない。
あまりに真っ直ぐに見つめられていると後ろめたさが増して、つい口を開いていた。
「その……ちょっと約束があって……」
「約束? その言い方だと、友達相手って感じじゃないよね。……えっ、まさかデート⁉」
小さく零した私の声を拾った彼女は、勝手に推理を始めたかと思うと、あっという間に真相に辿り着いてしまった。
直後、ふたりから半信半疑な表情を向けられ、なんだか居た堪れなくなる。
「だ、誰っ⁉ 莉緒、そんな相手がいるなんて、一言も……! あっ、もしかして前に言ってた人⁉」
「えっと、その……言うタイミングがなかったっていうか……。ほら、多恵は接待続きで、ずっとゆっくり話せる時がなかったし」
慌てて言い訳を並べる私を余所に、多恵は再び「誰とデートなの?」と食い下がった。
こうなるともう隠すのも気が引けて、私は視線を逸らしながらも答えを紡ぐ準備をした。
見兼ねて助け船を出してくれた二宮くんに、「ちょっと黙ってて」と視線も向けずに言った多恵は、私から瞳を動かそうとしない。
あまりに真っ直ぐに見つめられていると後ろめたさが増して、つい口を開いていた。
「その……ちょっと約束があって……」
「約束? その言い方だと、友達相手って感じじゃないよね。……えっ、まさかデート⁉」
小さく零した私の声を拾った彼女は、勝手に推理を始めたかと思うと、あっという間に真相に辿り着いてしまった。
直後、ふたりから半信半疑な表情を向けられ、なんだか居た堪れなくなる。
「だ、誰っ⁉ 莉緒、そんな相手がいるなんて、一言も……! あっ、もしかして前に言ってた人⁉」
「えっと、その……言うタイミングがなかったっていうか……。ほら、多恵は接待続きで、ずっとゆっくり話せる時がなかったし」
慌てて言い訳を並べる私を余所に、多恵は再び「誰とデートなの?」と食い下がった。
こうなるともう隠すのも気が引けて、私は視線を逸らしながらも答えを紡ぐ準備をした。