溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「それは、恋だね」


多恵が嬉しそうにしているのは、きっとこれまでずっと私のことを心配してくれていたから。
それを知っているからこそ喜びに包まれたけれど、同時にひとつだけ確認したくなったことを口にする。


「……本当にそう思う?」

「なぁに? 自分の気持ちに自信がないの?」

「課長のことは、その……ちゃんと好き、だよ……」


じっと見つめられる中で自分の想いを打ち明けるのは、とても恥ずかしい。
ただ、小さくなった声とは裏腹に、言葉にしたことで想いはより強くなったような気がする。


「でも、始まり方がちょっと強引だったっていうか……。流されてるのかな、って思う時もあったから、好きなのにこれでいいのかなって気持ちがあって……」

「うん」

「それに、つらい時に助けてくれたから好きになるのって、ちょっと単純過ぎるかもって考えたりして……」

「ばかね」


素直に零した私に、多恵が呆れたように微笑む。
そんな面差しすらも綺麗な彼女は、息を小さく吐いた。


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