溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「本当に気にしなくていい。捕まえ損ねたら嫌だから、ここで待ってただけだし」
「でも……」
「まぁ、気にするなと言う方が無理か。じゃあ、そうだな……」
ひとりごちるように零した穂積課長が、なにかを思いついたような顔で微笑む。
意味深な笑みを前に首を傾げると、課長は私を抱き竦めるようにして口を開いた。
「このまま俺に連れ去られてもらおうか」
「え……?」
ふっと微笑みを返され、言葉の意味を噛み砕こうとする。
その最中、抱きしめられたことに羞恥を感じるよりも早く、手を掴まれてしまった。
「課長?」
私の手を包む骨ばった大きな手は、まるで氷でも触っていたのかと思うほど冷たい。
まだ状況を整理できていなかったけれど、長時間待たせていたのだと察することはでき、ますます罪悪感に駆られてしまう。
すると、穂積課長がそのまま歩き出し、ロータリーに停まっていたタクシーに私を押し込んだ。
続けて課長も乗ってくると、聞き覚えのない住所を告げていた。
「でも……」
「まぁ、気にするなと言う方が無理か。じゃあ、そうだな……」
ひとりごちるように零した穂積課長が、なにかを思いついたような顔で微笑む。
意味深な笑みを前に首を傾げると、課長は私を抱き竦めるようにして口を開いた。
「このまま俺に連れ去られてもらおうか」
「え……?」
ふっと微笑みを返され、言葉の意味を噛み砕こうとする。
その最中、抱きしめられたことに羞恥を感じるよりも早く、手を掴まれてしまった。
「課長?」
私の手を包む骨ばった大きな手は、まるで氷でも触っていたのかと思うほど冷たい。
まだ状況を整理できていなかったけれど、長時間待たせていたのだと察することはでき、ますます罪悪感に駆られてしまう。
すると、穂積課長がそのまま歩き出し、ロータリーに停まっていたタクシーに私を押し込んだ。
続けて課長も乗ってくると、聞き覚えのない住所を告げていた。