溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
十五階で停まったエレベーターを降りて内廊下を進むと、穂積課長は『1507』と書かれた部屋のドアの鍵を開けた。
カードキーを使用していたエントランス同様、部屋のドアもセンサーにタッチするだけのものだった。
「自宅の鍵がカードキーって、初めてです」
「今時、別に珍しくもないだろ? ホテルだって、最近はカードキーの方が多いんだし」
「でも、ここは家ですよ」
「築年数がそんなに経ってないからだよ」
あっけらかんと言い放たれ、小さな笑みとともに「どうぞ」と促される。
呆気に取られるように周囲ばかり見ていると、課長の手によって開かれたドアを前に忘れかけていた緊張感が蘇ってきた。
「莉緒?」
「お、お邪魔します……」
ゆるりと緩められた瞳がなにか言いたげだったことには、あえて気づかない振りをする。
ドキドキと騒ぐ鼓動を隠すように息を小さく吐いて、センサーライトが灯った玄関に向かって足をゆっくりと踏み出した。
カードキーを使用していたエントランス同様、部屋のドアもセンサーにタッチするだけのものだった。
「自宅の鍵がカードキーって、初めてです」
「今時、別に珍しくもないだろ? ホテルだって、最近はカードキーの方が多いんだし」
「でも、ここは家ですよ」
「築年数がそんなに経ってないからだよ」
あっけらかんと言い放たれ、小さな笑みとともに「どうぞ」と促される。
呆気に取られるように周囲ばかり見ていると、課長の手によって開かれたドアを前に忘れかけていた緊張感が蘇ってきた。
「莉緒?」
「お、お邪魔します……」
ゆるりと緩められた瞳がなにか言いたげだったことには、あえて気づかない振りをする。
ドキドキと騒ぐ鼓動を隠すように息を小さく吐いて、センサーライトが灯った玄関に向かって足をゆっくりと踏み出した。