溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「ミルクティー?」

「あ、苦手だったか?」

「いえ、好きです」

「それなら、よかった。外は寒かったし、疲れてるだろうから、甘いものの方がいいかと思って」

「ありがとうございます」


「いただきます」と口にしてからミルクティーを飲むと、ほんのりとした甘さが口腔に広がり、外気で冷えた体がじんわりと温まっていく。
もう一口飲んで何気なく隣を見ると、左側にいる穂積課長と視線がぶつかった。


にっこりと微笑む課長は、いつから私を見ていたのだろうか。
それはわからなかったけれど、意味深な表情を向けられていることは確かで、不意に鼓動が高鳴った。


「あ、あの……なんでしょうか?」

「なんだ、残念」

「え?」

「せっかくリラックスした莉緒が見れたと思ったのに、また顔が強張ったな」

「……っ」


クスクスと笑われて頬に熱が集まり、心音がより大きくなる。
無邪気にすら見える穏やかな笑顔を見せられたせいで、私の心臓はドキドキと騒いでいた。

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