溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「さて、話はおしまい」
「え?」
「訊きたいことがあるなら、あとで答えてあげるよ」
穂積課長は私の手からマグカップを抜き取り、にっこりと微笑んだ。
意味深な顔つきを前に、鼓動が跳ね上がる。
「そろそろ温めて」
眇めた目で私を見つめ、どこか甘さを孕んだ低い声が落とされた。
甘えるようでいて誘惑じみた言葉に、胸の奥がきゅうっと締めつけられた。
「ほら、莉緒?」
あざとさすら感じる笑みを浮かべ、課長が首を傾ける。
吊り上げた唇も、私を見つめる瞳も、嬉々としたものを纏っていた。
穂積課長がこんなことをするなんて、普段の姿からは考えられないけれど……。いっそ可愛いとすら思ってしまった私は、すでに課長の手のひらで転がされているのだろう。
だけど、こんな風にされてもちっとも嫌じゃなくて、ドキドキと騒ぐ心は喜びを抱いている。
きっとまた、からかわれているに違いないとわかるのに、それでも単純な思考はとても従順だった。
「え?」
「訊きたいことがあるなら、あとで答えてあげるよ」
穂積課長は私の手からマグカップを抜き取り、にっこりと微笑んだ。
意味深な顔つきを前に、鼓動が跳ね上がる。
「そろそろ温めて」
眇めた目で私を見つめ、どこか甘さを孕んだ低い声が落とされた。
甘えるようでいて誘惑じみた言葉に、胸の奥がきゅうっと締めつけられた。
「ほら、莉緒?」
あざとさすら感じる笑みを浮かべ、課長が首を傾ける。
吊り上げた唇も、私を見つめる瞳も、嬉々としたものを纏っていた。
穂積課長がこんなことをするなんて、普段の姿からは考えられないけれど……。いっそ可愛いとすら思ってしまった私は、すでに課長の手のひらで転がされているのだろう。
だけど、こんな風にされてもちっとも嫌じゃなくて、ドキドキと騒ぐ心は喜びを抱いている。
きっとまた、からかわれているに違いないとわかるのに、それでも単純な思考はとても従順だった。