溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
穂積課長からほんの少しだけ離れて、恐る恐る顔を上げてみる。
すると、課長は右手で顔を隠すようにしていた。
私の視線に気づいた穂積課長の左手が、即座に私の後頭部に回される。
間髪容れずにそのまま引き寄せられ、私の顔は再び課長の胸元に収まった。
「あの……」
「見るな」
なんとか顔を上げようとすれば、ぴしゃりと言い切られてしまった。
その上、後頭部を押さえられている穂積課長の手に、さらに力が込められる。
私は為す術もなく、ただ大人しくしているしかない。
いったいどうしたことかと困惑していると、私の額がくっついている課長の胸元から鼓動が聞こえてきた。
ドクンドクンと騒いでいる心音は、私のもの。
だけど、同じくらい高鳴っている音は、私のものじゃない。
その鼓動が誰のものか気づいた時、すぐには信じられなくて驚きを隠せなかったけれど……。あっという間に心は喜びで満ち溢れ、甘やかな愛おしさが込み上げてきた。
すると、課長は右手で顔を隠すようにしていた。
私の視線に気づいた穂積課長の左手が、即座に私の後頭部に回される。
間髪容れずにそのまま引き寄せられ、私の顔は再び課長の胸元に収まった。
「あの……」
「見るな」
なんとか顔を上げようとすれば、ぴしゃりと言い切られてしまった。
その上、後頭部を押さえられている穂積課長の手に、さらに力が込められる。
私は為す術もなく、ただ大人しくしているしかない。
いったいどうしたことかと困惑していると、私の額がくっついている課長の胸元から鼓動が聞こえてきた。
ドクンドクンと騒いでいる心音は、私のもの。
だけど、同じくらい高鳴っている音は、私のものじゃない。
その鼓動が誰のものか気づいた時、すぐには信じられなくて驚きを隠せなかったけれど……。あっという間に心は喜びで満ち溢れ、甘やかな愛おしさが込み上げてきた。