溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「スクランブルエッグとオムレツ、どっちがいい?」
「オムレツがいいです!」
「トマトとチーズは平気?」
「はい、大好きです」
「じゃあ、トマトチーズオムレツにしよう。莉緒は、ベーコンを切ってくれる?」
笑顔で頷いて、だぼだぼのシャツの袖をまくる。
着替えを持ってくる暇もなかったから、ひとまず穂積課長の服を借りているのだけれど、鎖骨が丸見えになるくらい大きい。
いわゆる〝彼シャツ〟を着ている私は、洗濯機に入れてもらっている自分の服が乾くのを待つ間、落ち着かないような気がした。
それでも、課長の匂いがするシャツに包まれているのは嬉しくて、ほんの少しの恥ずかしさとくすぐったさを感じていた。
「クロワッサンですか?」
「あぁ。少し前に実家に帰った時に、母に持たされたんだ。今、人気の店のものらしい」
冷凍庫から取り出された英字のロゴが入った袋は、いつだったかテレビで観た覚えがある。
取り出されたのは、その時には画面越しで観ているだけだった大ぶりのクロワッサンだった。
「オムレツがいいです!」
「トマトとチーズは平気?」
「はい、大好きです」
「じゃあ、トマトチーズオムレツにしよう。莉緒は、ベーコンを切ってくれる?」
笑顔で頷いて、だぼだぼのシャツの袖をまくる。
着替えを持ってくる暇もなかったから、ひとまず穂積課長の服を借りているのだけれど、鎖骨が丸見えになるくらい大きい。
いわゆる〝彼シャツ〟を着ている私は、洗濯機に入れてもらっている自分の服が乾くのを待つ間、落ち着かないような気がした。
それでも、課長の匂いがするシャツに包まれているのは嬉しくて、ほんの少しの恥ずかしさとくすぐったさを感じていた。
「クロワッサンですか?」
「あぁ。少し前に実家に帰った時に、母に持たされたんだ。今、人気の店のものらしい」
冷凍庫から取り出された英字のロゴが入った袋は、いつだったかテレビで観た覚えがある。
取り出されたのは、その時には画面越しで観ているだけだった大ぶりのクロワッサンだった。