溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
有名店のクロワッサンとトマトチーズオムレツ、そしてルッコラのサラダ。
ワンプレートで綺麗に盛りつけられた様は、カフェ顔負けのおしゃれなモーニングになった。


挽きたての豆で淹れられたカフェオレの香りとともに、鼻先をくすぐってくる。
ペコペコだったお腹は、今にも鳴ってしまいそうだった。


「いただきます」


手を合わせて声を揃え、フォークでオムレツを崩す。
中からとろりとチーズが零れ、視覚からも空腹中枢を刺激されながらオムレツを口に運んだ。


「美味しい！　課長、これすっごく美味しいです！」

「それはよかった」


瞳を緩めた穂積課長は、微笑ましいと言わんばかりの顔で私を見ている。
私はベーコンとトマトを切っただけだというのに、あまりの美味しさに達成感を覚えてしまいそうなほど感激した。


こんなにも穏やかで温かい朝を課長と過ごす日が来るなんて、少し前までは想像すらしたことがなかった。
だけど今は、むずがゆさよりも幸せが打ち勝った心が宙に浮かんでしまいそうなくらい舞い上がっていた。

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