溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「もともとパワフルな人だったから、今は家にいる時間の方が少ないくらいだよ。俺よりもずっと元気な気がするし、本人も『息子の世話になる気はない』って言いながらバリバリ働いてるから」

「ふふっ、かっこいいお母様ですね」

「心配するこっちの身にもなってほしいが、元気でなによりだとは思ってる」


困ったようにしながらも嬉しそうな穂積課長の表情は、母を想う息子の顔だった。
またひとつ、会社とは違う課長を見ることができて嬉しい。


「じゃあ、課長はずっと仕事と看病を両立されていたんですね」

「入院期間中は完全看護だったし、幸いにも早期発見で術後の経過も良好だったから、俺は看病ってほどのことはしてないよ」


穂積課長はそんな風に言ったけれど、きっとそんなことはない。


人一倍、仕事量が多く、契約だって誰よりもたくさん取ってきている。
課長自身が担っている業務だけでも大変なはずなのに、さらには部下や同僚の面倒見だってよく、プライベートでは看病までしていたのだから……。