溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「莉緒がうちに配属される前のことになるんだが、松村部長の権限で進めてる案件で取引先に迷惑がかかる事態が発生したことがあったんだ。その時の相手がたまたま俺の知り合いだったから、まぁ仲裁ってほどでもないけど、先方との話し合いの場に入ったことがあるだけだよ」
穂積課長は、さらりと告げて「俺が話せるのはこれくらいだよ」と笑ったけれど、それって実はすごいことなんじゃないだろうか。
状況を知らないからなんとも言えないところではあるものの、少なくともなんでもないことのようにするほど簡単なことじゃなかったはず。
「あ、この話は他言しないように。知ってる人は知ってるけど、もう過ぎたことだから噂で蒸し返す必要はないし、俺も松村部長にはお世話になってるから」
「それはもちろん、言いませんけど」
「まぁ、莉緒はこういうことを言い触らしたりしないってわかってるから、話したんだけどな」
驚きと戸惑いを抱えていた私を余所に、課長がふんわりと微笑みを零す。
信頼してくれているのだとわかって、私も自然と笑顔になった。
穂積課長は、さらりと告げて「俺が話せるのはこれくらいだよ」と笑ったけれど、それって実はすごいことなんじゃないだろうか。
状況を知らないからなんとも言えないところではあるものの、少なくともなんでもないことのようにするほど簡単なことじゃなかったはず。
「あ、この話は他言しないように。知ってる人は知ってるけど、もう過ぎたことだから噂で蒸し返す必要はないし、俺も松村部長にはお世話になってるから」
「それはもちろん、言いませんけど」
「まぁ、莉緒はこういうことを言い触らしたりしないってわかってるから、話したんだけどな」
驚きと戸惑いを抱えていた私を余所に、課長がふんわりと微笑みを零す。
信頼してくれているのだとわかって、私も自然と笑顔になった。