溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
話題の映画でも観に行くか、それともドライブがてらアウトレットモールに繰り出すか。
そんな風に話し合っていたはずだったのに、食後になぜか甘い雰囲気になってしまって、穂積課長にベッドに連れ込まれた。


「……あぁっ、もう三時過ぎちゃってる! 課長のせいですよ……!」

「でも、莉緒も満更でもなさそうだったけど?」

「そ、そんなこと……!」

「だいたい、莉緒が急に可愛い顔で『幸せ』なんて言うから」

「……っ! それは、別に思ったことを言っただけで――ッ⁉」


むきになった私の唇に、ふと柔らかいものが落ちてくる。
からかわれても甘ったるいキスひとつで大人しくなってしまうなんて、我ながらなんて単純なんだろう。


だけど、こんな時間が嬉しくて幸せだと感じてしまうから、私の心はすっかり課長に夢中だ。
さっきまでは映画と買い物に行きたかったはずなのに、今は優しく抱きしめられていることにドキドキして多幸感に包まれ、出掛けることなんてどうでもよくなっていた。

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