溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「俺は、今夜も帰す気なんてないよ」
艶麗な微笑みに、瞳が捕らわれてしまう。
鼓動が大きく跳ね上がり、穂積課長が紡いだ言葉の意味をすぐに噛み砕けなかった。
「それとも、莉緒はさっさと帰るつもりだったのか?」
土曜日の今日は特になにもしなかったとはいえ、昨夜から課長とは片時も離れずにいた。
だから、必然的に今夜は帰るものだと考えていて、明日も一緒にいられるなんて思いもしなかった。
「……さっき、明日の予定を訊いてきたのはそのためだったんですか?」
「そうだよ。まぁ、莉緒から『帰りたくない』って言ってくれないかと期待もしてたから、明日のことはあえてなにも言わなかったんだが」
意味深に唇を吊り上げる穂積課長は、どこか意地悪な顔をしているのに。
私の中にあった寂しさが幸福感へと変わっていく中で、からかわれていることなんてどうでもよくなってしまう。
「でも、送っていくっていうのは……」
「さすがにもう一泊するなら、色々と必要だろ? さっき買ってもよかったが、莉緒も一度帰る方がいいかと思っただけだよ。もちろん、俺がここに帰ってくる時は莉緒も一緒だ」
額にくちづけてくれた課長が、「明日は出掛けよう」と優しく笑った――。
艶麗な微笑みに、瞳が捕らわれてしまう。
鼓動が大きく跳ね上がり、穂積課長が紡いだ言葉の意味をすぐに噛み砕けなかった。
「それとも、莉緒はさっさと帰るつもりだったのか?」
土曜日の今日は特になにもしなかったとはいえ、昨夜から課長とは片時も離れずにいた。
だから、必然的に今夜は帰るものだと考えていて、明日も一緒にいられるなんて思いもしなかった。
「……さっき、明日の予定を訊いてきたのはそのためだったんですか?」
「そうだよ。まぁ、莉緒から『帰りたくない』って言ってくれないかと期待もしてたから、明日のことはあえてなにも言わなかったんだが」
意味深に唇を吊り上げる穂積課長は、どこか意地悪な顔をしているのに。
私の中にあった寂しさが幸福感へと変わっていく中で、からかわれていることなんてどうでもよくなってしまう。
「でも、送っていくっていうのは……」
「さすがにもう一泊するなら、色々と必要だろ? さっき買ってもよかったが、莉緒も一度帰る方がいいかと思っただけだよ。もちろん、俺がここに帰ってくる時は莉緒も一緒だ」
額にくちづけてくれた課長が、「明日は出掛けよう」と優しく笑った――。