溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
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「それじゃあ、またね。よいお年を」
「うん。今年もお世話になりました」
仕事納めの日、多恵と同じくらいの時間に仕事が終わりそうだった私は、ロビーで彼女を待って駅まで一緒に帰った。
改札口で「来年もよろしくね」と言い合い、笑顔で手を振って別れる。
二宮くんと三人で飲みに行った日から、多恵とはランチにも行けていなかったから、たとえ数分でも話ができてよかった。
年末はどの部署も忙しくなるし、重役秘書の彼女は休憩時間も移動に費やしたり会食に付き添ったりしていて、社内で顔を合わせることもなかったくらいだ。
多恵とのランチが楽しみのひとつである私にとっては寂しくもあったけれど、彼女の大変さを思えば自分も仕事を頑張ろうという気持ちになった。
もちろん、それは年末年始の休暇が待ち遠しかったから……というのもある。
最後に意味深な笑みで『穂積課長によろしくね』と言っていた多恵と次にゆっくり会えた時は、きっと彼女から質問攻めにされてしまうだろう。
その時のことを考えて、密かに苦笑が漏れた。
「それじゃあ、またね。よいお年を」
「うん。今年もお世話になりました」
仕事納めの日、多恵と同じくらいの時間に仕事が終わりそうだった私は、ロビーで彼女を待って駅まで一緒に帰った。
改札口で「来年もよろしくね」と言い合い、笑顔で手を振って別れる。
二宮くんと三人で飲みに行った日から、多恵とはランチにも行けていなかったから、たとえ数分でも話ができてよかった。
年末はどの部署も忙しくなるし、重役秘書の彼女は休憩時間も移動に費やしたり会食に付き添ったりしていて、社内で顔を合わせることもなかったくらいだ。
多恵とのランチが楽しみのひとつである私にとっては寂しくもあったけれど、彼女の大変さを思えば自分も仕事を頑張ろうという気持ちになった。
もちろん、それは年末年始の休暇が待ち遠しかったから……というのもある。
最後に意味深な笑みで『穂積課長によろしくね』と言っていた多恵と次にゆっくり会えた時は、きっと彼女から質問攻めにされてしまうだろう。
その時のことを考えて、密かに苦笑が漏れた。