溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

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二月中旬の金曜日。
私は、新着メッセージがないスマホを見てため息をついた。


今日は多恵が社外に出ているため、コンビニで買ってきたサンドイッチでランチを済ませたところだ。
デスクには飲みかけのカフェオレと手をつけていないプリンがあるけれど、どちらも口にする気分にはなれなかった。


最新のメッセージ画面には、今朝私が送った【日曜日に会えませんか？】という文面が表示されている。
既読マークはついているのに、反応がないことが寂しかった。


明後日の日曜日は、バレンタインデーだ。
一昨日の仕事帰りに百貨店の催事場に立ち寄り、悩み抜いた末にチョコレートとメンズブランドのマフラーを購入した。


それらを渡すためにも、思い切って初めて自分から穂積課長を誘ってみたのだ。
もっとも、バレンタインはいい口実だっただけで、課長に会いたいというのが一番の理由だけれど。


普段、穂積課長にはご馳走してもらってばかりだし、ネックレスのお礼もできていなかったから、バレンタインにはレストランでの食事もプレゼントしたいと思っている。
ところが、課長からの返事がなかった。