溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「俺の気持ちは莉緒にあるし、それは変わらない。田原にもはっきり伝えたし、わかってくれたと思う。もし、わかってくれてなかったとしても、俺が一緒にいたいのは莉緒だけだから」


真っ直ぐに私を見つめた穂積課長は、はっきりと言い切った。
きちんと想いを言葉にしてくれたことは嬉しいのに、やっぱり私のどこがいいのかさっぱりわからない。


「それから……あの時、田原が言ってたことも聞いてたんだろ？」

「え？」

「俺が会社を背負う、ってやつ……」


ところが話が変わってしまい、それ以上は尋ねられる雰囲気じゃなくなってしまった。
とはいえ、その言葉の真意がわからないことにも困惑していたし、なによりもちゃんと知りたかったから、私は「はい」と首を縦に振った。


「……だよな。本当は、もっと落ち着いてから、ゆっくり話すつもりだったんだけど……」


課長の口調が、らしくなく淀む。
だけど、それでも話してくれる気はあるようで、私に向けられたままの双眸が逸らされることはなかった。