溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「ふたりきりでなんの話してたの?」
「別に、なにも話してないですよ。青山さんがコーヒーを淹れてくれているので、もらって行こうと思って」
みんなの前では〝莉緒ちゃん〟と呼ばないのは、二宮くんなりの気遣いだというのは知っている。
ある日突然、『多恵の呼び方がうつった』という理由で名前で呼ばれた時は、正直に言うと戸惑ったけれど……。
こうしてちゃんと呼び分けてくれているおかげで、今のところは困るようなことはない。
「そうなの? 言ってくれれば、コーヒーくらい私が淹れてあげるのに」
「じゃあ、次は川井さんにお願いしますね」
「いつでも言ってね」
ふふっと笑った川井さんの語尾には、きっと大きなハートマークがたくさん付いているのだろう。
彼女に誤解されなかったことに密かにホッとしつつ、苦笑いでチラリと視線を送ってきた二宮くんに少しだけ同情していた。
こういう時、彼のような人気者は大変だな、と思ってしまう。
「別に、なにも話してないですよ。青山さんがコーヒーを淹れてくれているので、もらって行こうと思って」
みんなの前では〝莉緒ちゃん〟と呼ばないのは、二宮くんなりの気遣いだというのは知っている。
ある日突然、『多恵の呼び方がうつった』という理由で名前で呼ばれた時は、正直に言うと戸惑ったけれど……。
こうしてちゃんと呼び分けてくれているおかげで、今のところは困るようなことはない。
「そうなの? 言ってくれれば、コーヒーくらい私が淹れてあげるのに」
「じゃあ、次は川井さんにお願いしますね」
「いつでも言ってね」
ふふっと笑った川井さんの語尾には、きっと大きなハートマークがたくさん付いているのだろう。
彼女に誤解されなかったことに密かにホッとしつつ、苦笑いでチラリと視線を送ってきた二宮くんに少しだけ同情していた。
こういう時、彼のような人気者は大変だな、と思ってしまう。