溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「俺がうちに入社したのは、内定をもらった企業の中で一番興味を持ったからだ。もちろん、入社試験を受けたときは父親のことなんて知らなかったし、最終面接でも社長は出てこなかったから、父も俺がうちに入ったと知ったのは入社して半年ほどが経ってからだったらしい」


穂積課長いわく、課長がネオサーチに入社すると決めたことを報告したとき、お母様は『血は争えないのかしら』と小さく漏らしたのだとか。
ただ、すぐに話題を変えられてしまったために、その意味を深く尋ねることもなかった……と。


「病室で父と対面したとき、あのときの母の言葉の意味がようやくわかったよ。母は、『あなたが入社したことはあなたの父親には言わなかったし、縁故じゃないからいいでしょ』と笑ってたけど、俺はさすがに困惑した……」


社長は、たまたま社内で母親似の穂積課長のことを見かけて調べたところネオサーチの社員だと知り、課長のお母様に電話をしたらしい。
だけど、お母様には『別にいいじゃない』と一蹴されてしまったと言うから、本当にどんな女性なんだろうと驚きを隠せなかった。

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