溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「まぁ結局、その女性とは三年で別れて、それからはずっと独身らしいんだが……。再々婚のときに俺との面会をやめることを申し入れたのは自分だから、さすがに母にも俺にも合わす顔がなかったみたいだ」


だから、社長は一切、穂積課長たちには連絡を取らなかった。
課長がネオサーチの社員だと知った日までは――。


穂積課長のお母様は、社長と離婚してから一度も連絡先を変えずにいたようで、社長からの電話にすぐに対応した。
その上で、『決して名乗らず贔屓もしないで』と釘を刺したのだとか。



課長は、「父親の会社だと知ったらその段階で辞めてたかもしれない」と冗談っぽく笑ったけれど……。お母様は、それを見越していたのかもしれない。


だからこそ、お母様は穂積課長にはずっとなにも言わず、社長にも口止めをした。
結果的に、社長が倒れたことですべてが明かされたものの、課長いわく「俺か父のどちらかが会うことを望んだときに、俺にすべてを話すつもりだったらしい」ということだった。

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