溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「……それで、ここまでは前置きというか、本題はここからなんだ」
ふと、穂積課長の面持ちが真剣なものなる。
私は思わず姿勢を正し、改めて課長を真っ直ぐ見つめ返した。
「俺は、父の跡を継ごうと思う」
静かに、けれど力強くはっきりと告げられたのは、穂積課長の意志。
そこに一切の迷いも淀みもなく、課長の心はすでに決まっていることが明白だった。
「再会した日、父から『ゆくゆくは会社を継いでほしい』と言われた。最初は、なに言ってるんだって思ったし、鼻で笑うくらい現実味がなくて『できるわけないだろ』って返したんだけど、父は真剣だったんだ」
社長はずっと、陰で穂積課長の仕事振りを見てきた。
仕事以外では声をかけることも、自分が父親だと明かすこともなかったけれど、そのうちに『いつか自分の跡を継がせるのなら|お前がいいと思った』と――。
「そう言われて、ほんの少しだけ嬉しかったんだ」
噛み締めるように零された声音は、素直な喜びを滲ませていた。
ふと、穂積課長の面持ちが真剣なものなる。
私は思わず姿勢を正し、改めて課長を真っ直ぐ見つめ返した。
「俺は、父の跡を継ごうと思う」
静かに、けれど力強くはっきりと告げられたのは、穂積課長の意志。
そこに一切の迷いも淀みもなく、課長の心はすでに決まっていることが明白だった。
「再会した日、父から『ゆくゆくは会社を継いでほしい』と言われた。最初は、なに言ってるんだって思ったし、鼻で笑うくらい現実味がなくて『できるわけないだろ』って返したんだけど、父は真剣だったんだ」
社長はずっと、陰で穂積課長の仕事振りを見てきた。
仕事以外では声をかけることも、自分が父親だと明かすこともなかったけれど、そのうちに『いつか自分の跡を継がせるのなら|お前がいいと思った』と――。
「そう言われて、ほんの少しだけ嬉しかったんだ」
噛み締めるように零された声音は、素直な喜びを滲ませていた。