溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「お父様とのお話、どうでしたか?」

「まぁ、ひとまず思うように運べたかな。今度、四人で食事することになると思うから、そのつもりでいてくれ」

「えっ⁉ 私もですか⁉」

「莉緒は、俺の大切な人だからね」

「で、でも……!」

「心配しなくても大丈夫だ。それに、いずれは紹介するつもりだったから」


戸惑いを浮かべている莉緒の唇に、軽く触れるだけのキスをする。
途端に、彼女の顔が真っ赤になった。


「と、智明さんっ……! ここ、家の前ですよ!」

「そうだったな。莉緒があまりにも可愛いから、すっかり忘れてた」

「も、もうっ! また、そうやってからかうんですから……!」

「からかってない。だが、まぁとりあえず中に入るか」


華奢な体を抱きしめたままの俺は、苦笑混じりに部屋の中に自身の身を滑り込ませる。
一緒に入り込んできた三月の柔らかな春風が、再び唇を重ねた俺たちをそっと包み込んだような気がした。

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