溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「……君は、智明を支えられると思っているのか？」


和やかな雰囲気になっていたとき、厳しい声音が飛んできた。
慌てて社長を見ると、眉間に皺を刻んだ面差しを向けられていた。


「父さん、今日はその話は――」

「智明さん、いいんです」


すぐさま言葉を挟んだ智明さんに笑みを向け、社長の方へと向き直る。
真っ直ぐで冷たく見える視線に怯みそうになったけれど、ここで怯むわけにはいかない。


今日を迎えるにあたり、彼は『父がなにを言っても気にするな』と言ってくれた。
聞けばお見合いを勧められていたようで、複雑な気持ちにはなったものの、いずれ社長になるかもしれないということは〝そういうことなんだ〟と妙に納得したような気持ちにもなった。


だけど、私は智明さんの傍にいたい。
簡単なことじゃないとしても、彼の隣で一緒に歩いていきたい。


智明さんを支えられるかどうかなんてわからないし、自信があるわけでもないけれど、それでも現実から目を背けようとは思わない。
だからこそ、私は目の前のことに向き合い、私たちの関係を彼の父親である社長に認めてもらわなければいけない。