溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「君の気持ちはわかった。だが、上に立つ者の傍にいるというのは、決して簡単なことではないぞ」

「はい」

「それでも、君が覚悟を決めて智明と一緒にいる道を選ぶと言うのなら、私はなにも言わない」

「……え?」


それは暗に、認めると言われているようだった。
都合のいい解釈かもしれないけれど、社長の面差しはさっきまでよりも柔らかくて、冷たい雰囲気も消えていた。


「智明は、上に立つ人間としては甘い部分も多く、まだまだ未熟だ。これからもっと厳しい道を歩むというのに、それでは身も心も()たない」


ふと見えたのは、子を心配する親の表情。
離れて暮らしていた期間はあまりに長く、智明さんと社長の関係はまだぎこちないように見えるけれど……。社長の顔には、確かに彼への想いが滲んでいた。


「だから、君がこいつを支えてやってくれ」


静かに、噛み締めるように紡がれたのは、予想だにしなかった言葉。
理解が追いつかなかったのは私だけじゃないようで、思わず智明さんを見ると、彼は目を見開いて驚きをあらわにしていた。

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