溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「……まったく。あなたって、本当に天邪鬼なんだから。最初から素直に言ってあげればいいじゃない。私、若い女の子をいじめるような男は嫌よ」
「お前は黙ってなさい」
「いいえ、黙りません。私は、あなたの妻なんですから」
「話なら、あとで――」
「あら、あえてここで話しているのよ。残念ながらもう若くもない私には、怖いものなんてないもの。あなたに嫌われたくなくてなにも言えなかったあの頃みたいに、これからはしおらしく引き下がったりしないわよ」
にっこりと微笑むお母様に、社長は面食らったように固まり、智明さんは笑いを噛み殺すように肩を小さく揺らしていた。
私は、彼から聞いていたお母様の強さを目の当たりにして、予想以上のことにポカンとしてしまう。
「そんな女にもう一度プロポーズしたのはあなたなんだから、せいぜい私に振り回されてちょうだい。今までは、私が振り回されていたんですもの」
美人の笑顔には、有無を言わせないような迫力がある。
社長はため息をついたものの、その顔からは不満そうなところは見受けられなかった。
「お前は黙ってなさい」
「いいえ、黙りません。私は、あなたの妻なんですから」
「話なら、あとで――」
「あら、あえてここで話しているのよ。残念ながらもう若くもない私には、怖いものなんてないもの。あなたに嫌われたくなくてなにも言えなかったあの頃みたいに、これからはしおらしく引き下がったりしないわよ」
にっこりと微笑むお母様に、社長は面食らったように固まり、智明さんは笑いを噛み殺すように肩を小さく揺らしていた。
私は、彼から聞いていたお母様の強さを目の当たりにして、予想以上のことにポカンとしてしまう。
「そんな女にもう一度プロポーズしたのはあなたなんだから、せいぜい私に振り回されてちょうだい。今までは、私が振り回されていたんですもの」
美人の笑顔には、有無を言わせないような迫力がある。
社長はため息をついたものの、その顔からは不満そうなところは見受けられなかった。