溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「お前に振り回されるのなら、本望だ。プロポーズをしてからも何度も伝えたが、私にとって一番いい女はお前なんだから」
「あら、嬉しいわ。その言葉通りなら、大切にしてもらえそうね」
あんなにも冷たく厳しい人から零されたとは思えないくらい、甘く真っ直ぐな想い。
唐突に放たれた言葉に赤面してしまった私を余所に、お母様は満足そうに破顔し、智明さんは心底不快そうに眉をひそめた。
「……息子の前でやめてくれ」
「いいじゃない。智明も、私がこの人に愛されてるってわかった方が安心でしょ?」
あっけらかんと言ってのけるお母様に、彼は辟易したようにワインを呷り、社長はわざとらしく咳払いをした。
私は、やっぱり赤面したまま三人のやり取りを見ていることしかできなくて、なんだかこの場にいてもいいのかとすら思えてきた。
だけど、緊張感でいっぱいだったさっきまでに反し、心には穏やかな温もりが芽生えていた。
そして、まだ少しだけぎこちなくも見える父子を横目に、密かに小さな笑みを零した――。
「あら、嬉しいわ。その言葉通りなら、大切にしてもらえそうね」
あんなにも冷たく厳しい人から零されたとは思えないくらい、甘く真っ直ぐな想い。
唐突に放たれた言葉に赤面してしまった私を余所に、お母様は満足そうに破顔し、智明さんは心底不快そうに眉をひそめた。
「……息子の前でやめてくれ」
「いいじゃない。智明も、私がこの人に愛されてるってわかった方が安心でしょ?」
あっけらかんと言ってのけるお母様に、彼は辟易したようにワインを呷り、社長はわざとらしく咳払いをした。
私は、やっぱり赤面したまま三人のやり取りを見ていることしかできなくて、なんだかこの場にいてもいいのかとすら思えてきた。
だけど、緊張感でいっぱいだったさっきまでに反し、心には穏やかな温もりが芽生えていた。
そして、まだ少しだけぎこちなくも見える父子を横目に、密かに小さな笑みを零した――。