溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
真剣な瞳に吸い込まれてしまいそうでなんだか怖いのに、自然と目が離せなくなる。


「別に、悩むことなんてないだろ? お互いにフリーなんだし、お前にとって悪い話じゃないはずだ」


テーブルに肘をついた穂積課長が、今度は誘惑するかのような流し目で微笑みながら見つめてくる。


「……っ」

「へぇ、そういう顔もするのか」


思わずゴクンと唾を飲みそうになった私の視界に、どこか楽しげな表情が映っている。
まるで新しいオモチャを見つけたとでも言いたそうな顔は、どこまでが本気なのかがさっぱりわからない。


すっかりクリアになっている頭の中は、どんどん混乱していった。


「どうする?」

「おっ……お断りします……」

「却下」

「なんでですかっ!?」


精一杯の勇気を出して断ったのに一瞬で跳ね除けられ、思わず大声とともに身を乗り出していた。


即座に却下するくらいならなぜ質問したのか、と課長に訊きたいところだけれど……。
残念ながら、今はそれどころじゃない。

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