溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
この際、酔った勢いとか冗談だと言ってほしいくらいだけれど、穂積課長の様子からしてそれはないだろう。
ただ、課長の真意を知れたとしても、昨夜の話を受け入れるなんてできない。


穂積課長のことは尊敬しているけれど、それはあくまで上司として、という話。
決して、恋愛感情や異性として憧れたりしているわけじゃない。


うちの会社は社内恋愛禁止じゃないけれど、そもそも私はそんなに器用じゃない。
同じ部署にいる人と付き合って仕事を普通に熟せる自信はないし、プライベートで恋人と喧嘩してしまうと仕事中でも引きずってしまいそうだから。


だけど、昨夜のキスや穂積課長の言葉ひとつひとつにドキドキしていたのは事実で、それはきっと課長にも見透かされている。
穂積課長の話を受け入れられないのなら断るしかないけれど、課長を前にしてそれができるかと訊かれれば自信はまったくなかった。


どんな顔をして会えばいいのかも、どうすればいいのかもわからない。
それでも約束の時間はどんどん迫ってきて、頭を抱えているうちにインターホンが鳴った。

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