溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「とりあえず、青山は俺と付き合うことだけ理解していればいいよ」
私を信頼してくれている穂積課長の態度にまだ戸惑っていたのに、さらにそんな発言を落とされて頭を抱えてしまいたくなった。
勝手に決めないでほしい、なんて言う勇気はないけれど、なんとかして解決したい。
もちろん、それは『お話をお受けします』という方向じゃなくて、『お断りします』という台詞が伴う方向で。
そして、できれば穏便に話を進めたい。
「あの、すみません……。そのお話なんですが──」
「着いたから降りるぞ」
「えっ?」
意を決するのに一分ほどしか使っていなかったはずなのに、顔を上げると車は駐車場に停められていた。
慌てて辺りを見回すと目の前にはグレーのレンガ調の建物があり、お店に着いたことを理解する。
このタイミングを逃してしまえばまた切り出すための勇気が必要になることはわかっているのに、車から降りて歩いていく課長の後を追うことしかできない。
だって、私には主導権も選択権もないから。
私を信頼してくれている穂積課長の態度にまだ戸惑っていたのに、さらにそんな発言を落とされて頭を抱えてしまいたくなった。
勝手に決めないでほしい、なんて言う勇気はないけれど、なんとかして解決したい。
もちろん、それは『お話をお受けします』という方向じゃなくて、『お断りします』という台詞が伴う方向で。
そして、できれば穏便に話を進めたい。
「あの、すみません……。そのお話なんですが──」
「着いたから降りるぞ」
「えっ?」
意を決するのに一分ほどしか使っていなかったはずなのに、顔を上げると車は駐車場に停められていた。
慌てて辺りを見回すと目の前にはグレーのレンガ調の建物があり、お店に着いたことを理解する。
このタイミングを逃してしまえばまた切り出すための勇気が必要になることはわかっているのに、車から降りて歩いていく課長の後を追うことしかできない。
だって、私には主導権も選択権もないから。