溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「カフェの話ですよ⁉︎」


気づいた時には念押しするように言っていて、再びメニューに視線を落とそうとしていた穂積課長と目が合った。
不思議そうな顔をされて、しまった、と心の中で焦る。


「そりゃそうだろ？」


「むしろなんの話をしてるんだ？」と尋ねられて、言葉に詰まった。
まさか、告白したような気持ちになってしまってドキッとしただなんて墓穴を掘るようなことは、口が裂けても言えない。


「……だから、カフェの話です」

「変な奴だな」


くしゃり、と崩された笑顔。
向けられたその表情はなんだか子どものようで、可愛いなんて思ってしまった。


この顔、ツボかも……。ちょっと少年みたいで可愛い。


「ここのスープは美味いぞ」


そんなことを考えてしまったことにまた恥ずかしくなって、このままだと穂積課長のペースにどんどんハマっていくような気がして。
そんな状況に不安が芽生えた時、再び無邪気さを孕んだ笑みを向けられた。


その瞬間に鼓動が大きく跳ねたけれど、それを誤魔化すようにメニューに視線を落とした。

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