極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜
ふと浮かんだのは、雛子をヒロインにした物語。
【失恋ショコラ】の続編を書くつもりなんてなかったのに、今すぐにでも書きたい、という衝動が走る。
直後には、様々な言葉たちが脳内から溢れんばかりに生まれていた。
彼女は、また怒るだろうか。
それとも、今度こそ出会ったあの日のように笑ってくれるだろうか。
答えはわからなかったけれど、きっと今の雛子なら傷つかない。
それだけはわかっているから、また彼女をモデルにした愛おしいヒロインを描こうと思う。
どうせなら、今度はヒーロー目線の物語でもいい。
あのチョコのようにグチャグチャな想いでも、ベッドの上でドロドロに溶け合うばかりでも、その男が女をどれほどに想っているのかを書き連ね、甘く深く溶け合うふたりを描きたい。
カラカラに乾いていた心が満たされたかのような恋物語を、篠原櫂の言葉で綴りたい。
幸せそうな微笑みを向ける大切な恋人を見つめ、その唇にキスを落としながら、そんな風に思った。
ただ、ヒーロー目線にしてしまったら、世間は疎か、雛子にも読ませることはできないだろう。
だって、それはきっと、恋とは呼べない深い愛の物語になるはずだから──。
END.
【失恋ショコラ】の続編を書くつもりなんてなかったのに、今すぐにでも書きたい、という衝動が走る。
直後には、様々な言葉たちが脳内から溢れんばかりに生まれていた。
彼女は、また怒るだろうか。
それとも、今度こそ出会ったあの日のように笑ってくれるだろうか。
答えはわからなかったけれど、きっと今の雛子なら傷つかない。
それだけはわかっているから、また彼女をモデルにした愛おしいヒロインを描こうと思う。
どうせなら、今度はヒーロー目線の物語でもいい。
あのチョコのようにグチャグチャな想いでも、ベッドの上でドロドロに溶け合うばかりでも、その男が女をどれほどに想っているのかを書き連ね、甘く深く溶け合うふたりを描きたい。
カラカラに乾いていた心が満たされたかのような恋物語を、篠原櫂の言葉で綴りたい。
幸せそうな微笑みを向ける大切な恋人を見つめ、その唇にキスを落としながら、そんな風に思った。
ただ、ヒーロー目線にしてしまったら、世間は疎か、雛子にも読ませることはできないだろう。
だって、それはきっと、恋とは呼べない深い愛の物語になるはずだから──。
END.