極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜
口の端についたココアパウダーを親指で拭う篠原から、視線が外せなくなる。そんな私の気持ちを見透かすように、彼がニヤリと笑った。
「お前、セックスが気持ち良くないのか?」
「なっ⁉︎ そっ……そんなのどうでもいいから、早くどいてください!」
「お前って生真面目だし、男の前で乱れるのが嫌で相手の顔色を窺ってばっかりだったんだろ?」
「べ、別にそんなんじゃっ……! って、もう放っといてください!」
私の上から動く気のない篠原を睨むと、彼がまた口元を緩めた。
「でも、そういう奴に限って、タガが外れたらとてつもなく乱れたりするんだよな」
篠原がなにかを企むような笑みを浮かべながら、また生チョコを口に運ぶ。行き場を失くしていたそれが、ひとつ、またひとつと彼の中に消えていく。
その光景に魅入られていた私は、すっかり自分の置かれている状況を忘れてしまっていて──。
「お前のタガ、俺が外してやるよ」
不意に妖艶な笑みで落とされた言葉にハッとして、慌てて篠原の体を押し退けようと手を伸ばした。
だけど……その両手はロクな抵抗もできないないまま、彼によってひと纏めにされてしまい、頭の上で押さえつけられた。
熱い、熱い、熱い……。
篠原に触れられている手首が、とてつもなく熱い──。
「お前、セックスが気持ち良くないのか?」
「なっ⁉︎ そっ……そんなのどうでもいいから、早くどいてください!」
「お前って生真面目だし、男の前で乱れるのが嫌で相手の顔色を窺ってばっかりだったんだろ?」
「べ、別にそんなんじゃっ……! って、もう放っといてください!」
私の上から動く気のない篠原を睨むと、彼がまた口元を緩めた。
「でも、そういう奴に限って、タガが外れたらとてつもなく乱れたりするんだよな」
篠原がなにかを企むような笑みを浮かべながら、また生チョコを口に運ぶ。行き場を失くしていたそれが、ひとつ、またひとつと彼の中に消えていく。
その光景に魅入られていた私は、すっかり自分の置かれている状況を忘れてしまっていて──。
「お前のタガ、俺が外してやるよ」
不意に妖艶な笑みで落とされた言葉にハッとして、慌てて篠原の体を押し退けようと手を伸ばした。
だけど……その両手はロクな抵抗もできないないまま、彼によってひと纏めにされてしまい、頭の上で押さえつけられた。
熱い、熱い、熱い……。
篠原に触れられている手首が、とてつもなく熱い──。