極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜
「おい、なにボーッとしてるんだ。さっさと座れ」
「あ、はい……」
有無を言わせない視線を向けられ、仕方なく篠原の向かい側に座る。
「さっさと食べろ。時間の無駄だ」
「はい。……いただきます」
「作ったのはお前だろ」
頭を下げると、彼がため息を漏らした。
「でも、食費を出してくださっているのは先生なので」
いつものように返せば、篠原もいつもと同じように眉を寄せた。
「食べる前の挨拶なら受け入れてやるけど、俺にいちいち頭を下げるな」
そして、今日もまた、意味のわからない言葉を寄越されたのだ。
こうして一緒に食事を摂るようになったのは、半年くらい前からのこと。
例によって、ある日突然、篠原からふたり分の食事の支度をするように言われたかと思うと、出来上がった物を前にした彼が『一緒に食べるぞ』と言い出したのだ。
もちろん、私に拒否権なんてない。
私にとっては、罰ゲーム並の行為ではあったけれど……。篠原に逆らえない私は、その日をキッカケにここに来る日はほとんどの確率で、彼と食事をともにすることになっている。
はっきり言って、一生懸命作った物を味わう余裕もなければ、この時間を楽しめることもない。
その理由は、ただひとつ。
「あ、はい……」
有無を言わせない視線を向けられ、仕方なく篠原の向かい側に座る。
「さっさと食べろ。時間の無駄だ」
「はい。……いただきます」
「作ったのはお前だろ」
頭を下げると、彼がため息を漏らした。
「でも、食費を出してくださっているのは先生なので」
いつものように返せば、篠原もいつもと同じように眉を寄せた。
「食べる前の挨拶なら受け入れてやるけど、俺にいちいち頭を下げるな」
そして、今日もまた、意味のわからない言葉を寄越されたのだ。
こうして一緒に食事を摂るようになったのは、半年くらい前からのこと。
例によって、ある日突然、篠原からふたり分の食事の支度をするように言われたかと思うと、出来上がった物を前にした彼が『一緒に食べるぞ』と言い出したのだ。
もちろん、私に拒否権なんてない。
私にとっては、罰ゲーム並の行為ではあったけれど……。篠原に逆らえない私は、その日をキッカケにここに来る日はほとんどの確率で、彼と食事をともにすることになっている。
はっきり言って、一生懸命作った物を味わう余裕もなければ、この時間を楽しめることもない。
その理由は、ただひとつ。