極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜
「ん? もっと?」
白々しい声を落とす篠原は、一向に律動を緩めようとはしない。
「せんっ、せぇ……っ」
「……いい加減に学習しろよ、雛子」
「ひっ……!」
苛立ち混じりの言葉とともに最奥を突かれ、声にならない声を上げて喉を仰け反らせてしまう。
「“先生”じゃなくて、“龍司”だって言ってるだろ? それとも、雛子は俺に躾けて欲しくて、わざと反抗してるのか?」
不機嫌になった彼は、らしくないほどに優しい口調だから、余計に恐くなる。
「ちがっ……」
必死に首をブンブンと振ると、篠原が私の体を起こした。
直後、奥深くに突き刺さった彼自身に、とうとう声が引き攣った。
再び喉が仰け反ったことによって、視界が妖艶な笑みを捉える。
まるで美しい悪魔が醸し出しているかと思うほどに艶やかな表情は、私のすべてを奪おうとしているかのようだった。
「雛子」
数秒間ぶつかり合っていた瞳は、唇を塞がれたことによって交わらなくなる。
無理な体勢のせいで動けない体が悲鳴を上げ、呼吸までも奪い尽くすようなキスに息が上がり、水中にいる時のように苦しくて堪らないのに──。
「雛子……」
私のことを愛おしげに呼ぶ声音に、不覚にも胸の奥が高鳴った。
白々しい声を落とす篠原は、一向に律動を緩めようとはしない。
「せんっ、せぇ……っ」
「……いい加減に学習しろよ、雛子」
「ひっ……!」
苛立ち混じりの言葉とともに最奥を突かれ、声にならない声を上げて喉を仰け反らせてしまう。
「“先生”じゃなくて、“龍司”だって言ってるだろ? それとも、雛子は俺に躾けて欲しくて、わざと反抗してるのか?」
不機嫌になった彼は、らしくないほどに優しい口調だから、余計に恐くなる。
「ちがっ……」
必死に首をブンブンと振ると、篠原が私の体を起こした。
直後、奥深くに突き刺さった彼自身に、とうとう声が引き攣った。
再び喉が仰け反ったことによって、視界が妖艶な笑みを捉える。
まるで美しい悪魔が醸し出しているかと思うほどに艶やかな表情は、私のすべてを奪おうとしているかのようだった。
「雛子」
数秒間ぶつかり合っていた瞳は、唇を塞がれたことによって交わらなくなる。
無理な体勢のせいで動けない体が悲鳴を上げ、呼吸までも奪い尽くすようなキスに息が上がり、水中にいる時のように苦しくて堪らないのに──。
「雛子……」
私のことを愛おしげに呼ぶ声音に、不覚にも胸の奥が高鳴った。