君がくれた明日は、七色の光を描いている
夕日の下
*
放課後。
智也と一緒に下校していると、いつもはよく喋る彼が珍しく口数が少なかった。
ちらりと横顔を見たら、かなり不機嫌そうな顔つき。
蜂蜜色の髪へ向けてパウダーのように降りかかる夕日を、鬱陶しげに睨んでいる。
「おまえさ、あいつとイチャイチャしすぎなんだよ」
片手をポケットに突っ込み、智也は横目で睨んできた。
「……え、誰のこと?」
私はひやりとしながらも聞き返す。
まさか朝陽くんへの気持ち、気づかれた……?
「とぼけるなって。昼休み、階段の所で男と一緒にいただろ」
「ああ……、あの人ね。見てたんだ」
昼休みのことなら、たぶん“あれ”は見られていないはず。
「無駄に色目使ってんじゃねぇよ」
智也のこれは、可愛い嫉妬じゃなくて独占欲。
自分の所有物を、誰かに取られたくないだけ。
私のことが大切で大切で仕方がないから、というわけじゃない。
「ただのクラスメイトだよ。私が落としたペンケースを拾ってくれただけ。智也が気にするようなことは何もないよ」
放課後。
智也と一緒に下校していると、いつもはよく喋る彼が珍しく口数が少なかった。
ちらりと横顔を見たら、かなり不機嫌そうな顔つき。
蜂蜜色の髪へ向けてパウダーのように降りかかる夕日を、鬱陶しげに睨んでいる。
「おまえさ、あいつとイチャイチャしすぎなんだよ」
片手をポケットに突っ込み、智也は横目で睨んできた。
「……え、誰のこと?」
私はひやりとしながらも聞き返す。
まさか朝陽くんへの気持ち、気づかれた……?
「とぼけるなって。昼休み、階段の所で男と一緒にいただろ」
「ああ……、あの人ね。見てたんだ」
昼休みのことなら、たぶん“あれ”は見られていないはず。
「無駄に色目使ってんじゃねぇよ」
智也のこれは、可愛い嫉妬じゃなくて独占欲。
自分の所有物を、誰かに取られたくないだけ。
私のことが大切で大切で仕方がないから、というわけじゃない。
「ただのクラスメイトだよ。私が落としたペンケースを拾ってくれただけ。智也が気にするようなことは何もないよ」