君がくれた明日は、七色の光を描いている
「いい加減、あきらめろよ。誰がどう見ても、あいつに遊ばれてるとしか思えないんだけど」
「放っておいて。私は、浮気されててもいいから、彼と付き合っていたいの」
強く言い返すと、陽介は溜め息をついた。
「陽介だって、1年の子と3年の先輩と、二股してたって噂になってるよ?」
「んー……」
「もう少し、相手のことも自分のことも、大事にしたら?」
「お前こそな」
都合の悪い話をごまかすためか、背を向けた陽介は、先に屋上から出ていってしまった。
「私たちに、まともな恋愛なんて無理だよね……」
小さくつぶやいて見上げた空は、灰にまみれた私の心なんてお構いなしに、どこまでも澄み渡っている。
本当は、もっと純粋な恋をしていたいのに。