君がくれた明日は、七色の光を描いている
*
掃除が終わり、皆が帰っていった頃。
曇り空の下に広がる校庭を、ただ眺めていた。
今日は智也と一緒に帰る約束をして、門のところで待ち合わせをしているから、まだ彼は帰っていないはず。
いくつか玄関から校庭へ歩いていく影があり、しばらくしてその中に、智也の背中を見つけた。
黒い門のそばで立ち止まり、校舎側を向いてわたしを待っているよう。
だけど……
走り寄って来た一人のセーラー服の女子と、智也の影が重なって――
ただの友達とは思えない距離に近づいた二人は、恋人同士そのものに見えた。
女の子の方が彼に抱きついて、智也がそれに応え、じゃれ合っているかのように……。
実際にその現場を目にしてしまうと、思ったより自分が傷ついていることに気がついた。
見てはいけないものを見た気分になり、心拍数の上がっていく胸を押さえながら窓に背を向けた。
そのまま、ずるずると教室の冷たい床に座り込む。
智也のことで泣くはずがないのに。
頬を濡らしていく涙も、一緒になって床に落ちた。
掃除が終わり、皆が帰っていった頃。
曇り空の下に広がる校庭を、ただ眺めていた。
今日は智也と一緒に帰る約束をして、門のところで待ち合わせをしているから、まだ彼は帰っていないはず。
いくつか玄関から校庭へ歩いていく影があり、しばらくしてその中に、智也の背中を見つけた。
黒い門のそばで立ち止まり、校舎側を向いてわたしを待っているよう。
だけど……
走り寄って来た一人のセーラー服の女子と、智也の影が重なって――
ただの友達とは思えない距離に近づいた二人は、恋人同士そのものに見えた。
女の子の方が彼に抱きついて、智也がそれに応え、じゃれ合っているかのように……。
実際にその現場を目にしてしまうと、思ったより自分が傷ついていることに気がついた。
見てはいけないものを見た気分になり、心拍数の上がっていく胸を押さえながら窓に背を向けた。
そのまま、ずるずると教室の冷たい床に座り込む。
智也のことで泣くはずがないのに。
頬を濡らしていく涙も、一緒になって床に落ちた。