君がくれた明日は、七色の光を描いている
朝陽くんはそんな私を見つめ、どこか寂しげに微笑んだ。
「ほら、そんなところで座ってたら体が冷えるよ」
「いいの。しばらく放っておいて」
「だったら、お姫様抱っこでもして家に送ろうか」
艶っぽい目つきを向けられ、ドキンと胸が高鳴る。
黙り込んだ私へ手を伸ばし、助け起こしてくれた彼は、なぜかそのまま手を離さなかった。
繋がれた温かい指先と、私の冷えた指先。
うるさい心音が彼に届いてしまいそうだった。
じっと見つめられたまま、どうしていいか分からない。
目の前にいるのこと人を、やっぱり好きなのだと自覚する。
「俺、紗矢花は彼氏と一緒にいて幸せなのかと、ずっと思ってたよ」
悲しげな瞳を向けられて、思わず本音が零れ落ちた。
「それはきっと、私にとって本当の幸せなんかじゃないからだよ。
だって、私が本当に好きなのは――」
「紗矢花。言わなくていい」
困ったように眉を寄せて、朝陽くんは私の言葉を遮った。