君がくれた明日は、七色の光を描いている
*
「昨日はごめんな、一緒に帰れなくて」
曇り空が憂鬱な朝。
待ち合わせの公園前に現れた、制服姿の智也は、申し訳なさそうな顔で謝ってきた。
ワックスで遊ばせた蜂蜜色の髪から覗く耳には、シルバーのピアスが3つ並んでいる。
1つは、私が彼の誕生日に贈ったピアス。
あとの2つは、たぶん他の女の子からのプレゼント。
私がわざとうつむいて、寂しそうな表情を作ると、智也は頭を優しく撫でてきた。
「また女の子と会ってたんでしょ。一緒に帰ってるところ見たよ」
黙っておけばいいのに、私の口からは、つい彼を責める言葉が出てしまう。
彼の視線がスッと斜め下に走るのを、冷めた瞳で観察した。
「……あの女とは何もないって。昨日はただ、後輩の見舞いに付き合ってただけなんだ。俺は、紗矢花一筋に決まってんだろ」
私の視線をかわすように、智也は学校の方角へと歩き出す。
――そうやっていつも、うまく言いくるめられる。
女の影があったって、智也は変わらず優しいから。
私はその影を気のせいだと思い込んで、彼を許すしかない。
「昨日はごめんな、一緒に帰れなくて」
曇り空が憂鬱な朝。
待ち合わせの公園前に現れた、制服姿の智也は、申し訳なさそうな顔で謝ってきた。
ワックスで遊ばせた蜂蜜色の髪から覗く耳には、シルバーのピアスが3つ並んでいる。
1つは、私が彼の誕生日に贈ったピアス。
あとの2つは、たぶん他の女の子からのプレゼント。
私がわざとうつむいて、寂しそうな表情を作ると、智也は頭を優しく撫でてきた。
「また女の子と会ってたんでしょ。一緒に帰ってるところ見たよ」
黙っておけばいいのに、私の口からは、つい彼を責める言葉が出てしまう。
彼の視線がスッと斜め下に走るのを、冷めた瞳で観察した。
「……あの女とは何もないって。昨日はただ、後輩の見舞いに付き合ってただけなんだ。俺は、紗矢花一筋に決まってんだろ」
私の視線をかわすように、智也は学校の方角へと歩き出す。
――そうやっていつも、うまく言いくるめられる。
女の影があったって、智也は変わらず優しいから。
私はその影を気のせいだと思い込んで、彼を許すしかない。