君がくれた明日は、七色の光を描いている


「珍しいね、遅刻?」


教室に向かう途中、同じクラスの朝陽(あさひ)くんが声をかけてきた。

今日も寝癖一つない、清潔感のある自然なセピア色の髪。


「ああ……うん、寝坊しちゃって」


さっきまで智也といたことを知られたくなくて、咄嗟に嘘をついた。

制服や髪の乱れは化粧室で確かめたはずなのに、なぜだか頬が熱くなる。


「あとでノート貸そうか」

「ほんと? ありがと」


優しい朝陽くんへ笑顔を向けると同時に、

「朝から親密な感じだな、二人とも」

背後から朝陽くんと同じ声が降ってくる。


振り返るとそこには、朝陽くんの双子の兄、陽介(ようすけ)が立っていた。
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